オリジナル商品開発
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セシモでは現場から出るお客様のご意見やご相談内容をもとに、既存の製品を見直し改良を加えたオリジナル商品を、取引先メーカーと提携して製造しております。 |
開発の経緯
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この雪止金具は、1998年1月8日及び同年1月15日に、関東地方で降った大雪の被害状況をもとに改良を加え製作したものです。この年は、群馬県前橋市では最深積雪が33センチ(※)、埼玉県熊谷市では21センチ(※)となった他、関東地方のほとんどで最深積雪が20センチ〜40センチという大雪となりました。(例年の降雪量は深さ0センチ、多い時でも2〜3センチ ※)この大雪により、屋根から落ちた雪で車がへこむ、車庫の屋根の陥没、植木への被害、近隣のフェンスや屋根を割ってしまう等多くの被害の報告を受けました。また雪止が付いていても、ほとんど機能しなかったという例もありました。(※印は気象月報によるデータです) | ||
被害の原因
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■例年の約10倍にもなる雪が降ったこと。 ■関東地方の雪は連日降るのではなく大抵1日で止んでしまい、その翌日が快晴になることが多くなっています(※)。従って、気温が上がって雪がすぐに解け始めて重たい雪(水分を多く含む)になり、それが夜になると気温が下がって凍り、落ちるときには氷状の重たく固い雪になってしまうため被害も大きくなると思われます。 (たとえば新潟方面では雪が連日降り、気温が低く日較差が小さいため、雪質がサラサラのまま落ちるため、その被害は少なくなります。) ■水分を含んだ重たくて固い雪は、より摩擦抵抗が小さくなり、雪止にぶつかっても形状によっては、止まらずに落ちてしまいます。 |
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開発にあたっての再考点
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■中途半端に止まる雪止瓦や雪止金具はかえって付けないほうが被害が少なくてすむので、取付をするのであれば、雪がしっかりと止まるような雪止金具の形状にする。 ■平板瓦の場合は、雪が流れる所が決まっておらず、雪が降ったままの状態でそのまま滑っていく。これを効率良く止めるためには、高さを高くすれば多量の雪が降った時でも雪止金具の上を越えて滑っていくことを防ぐことが可能になり、また高い所と低い所のメリハリができ、雪がよく止まるのではないか。 ■凹凸がある瓦の場合には(下記ではセラムS‐1型)、雪が凹の部分に集中しやすくなるため、凹の部分にまで雪止の羽根が届くようにすること、および雪止金具を取り付けた時、瓦と金具の羽根の両端の2点が安定して密着することで金具のねじれを最小限に抑えられるのではないか。 |
オリジナル雪止金具の種類および特徴
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型 式 | 色・対応瓦 | 特 徴 |
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◆従来の雪止金具より大量の雪にも耐えられ、曲がることがないように、リブの高さを大きくし、基材の厚みを厚くし、素材についても、ステンレスSUS304を使用しました。 ◆水を多く含んだ重たい雪でもよく止まるよう、雪止金具の高さを高くし、エッジをつけました。→ エッジを長くつけたため、曲げ応力やねじれ応力による変形耐力も向上し、エッジのおかげで水分の多い固い雪のスピードを落とし、雪が金具に食いついて、効率良く止めることができるようになっています。 またエッジがあるため、夜雪が凍った場合でも雪止と雪が一体となり、気温が上がって雪止め部分にたまった雪が下から解けて滑りやすくなっても、大きいままで下へ落ちるのを防ぐことができます。 ◆重く固い雪が滑ってきた時に、それを効率良く止めるよう、屋根材と雪止金具を直角にしました。また補強面でも、これまではステーが主流でしたが、これをエッジに変更しました。ステーの場合、雪が雪止金具のステーの上に行き滑っていってしまいます。これをエッジに変更することで、今まで以上の強度を持ち、また雪止の両端の部分の強度も飛躍的に高められ、雪止金具の高さを高くすることが可能になりました。 〔PAT.3406858号 取得済〕 |
F2型(写真はグリーン色) | ||
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A型(写真はブラック色) | ||
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◆瓦の凹部分に雪が流れやすいため、できるだけ広い形状にしました。 |
S-1型(写真はブラック色) |